Excel基礎知識:エラー表示を理解しよう

さて、Excel画面は見慣れてきましたでしょうか?

エクセルで関数を使った計算などをしていると、思った答えではなく、『#・・・』と見慣れない文字が表示されることがあります。

これは『正しい処理がなされていない』場合などに表示される『エラー』です。

今回はこの『エラー表示』について理解していきたいと思います。

よく出るエラーは上記の通り、7種類もあります。

順番に見ていきましょう!

#DIV/0!

『割り算の分母が「0」もしくは「空白のセル」である』場合に表示されます。

こんなことを聞いたことはありませんか?

『割り算で0(ゼロ)で割ってはいけない』

0(ゼロ)で割るということは問題として成り立ちませんよね。
難しい言い方すると、定義できないとか。

例えば、『りんご10個を0人に分けてください』って問題。

おかしいですよね。

なんとなくわかりましたか・・・?

エクセルでもこのように0(ゼロ)で割ることができないのでエラー表示をします。

エクセル画像で見てみましょう☆

2つありますが、『いちご』の行でエラー表示が出ていますね。
上は「分母が0」の場合のエラー表示、下は「分母が空白」の場合のエラー表示。

F列には『数量÷配る人数』の計算式が入っており、分母が「0」や「空白」の場合、計算が成り立ちませんのでエラーになります。

この場合のエラー表示が【#DIV/0!】となっています。

解決方法としては、数値の入力(計算式を成り立たせる)ことですね。

#VALUE!

『数式や参照元のセルに問題がある』場合に表示されます。

例えば、
『参照先のセルが数値ではなく文字列』になっている場合。
『数式の途中にスペースが入っている』場合。
『関数の指定方法が間違っている』場合。

など、関数計算ができない場合に表示されますね。

一例ですが、参照元に文字列が入力されていた場合のエラー表示です。

一見問題がないように思いますが、実はC列のセルには「書式設定」がなされており、「ユーザー定義」で『#”円”』となっています。

さらにコチラを見てください。

数値のみ入力すれば「円」が自動挿入されるのですが、いちごでは「150円」と入力しており、細かいことを言えば「150円円」となっています。

「円」という文字列が入っていることによるエラーですね!

このように、参照元に文字列などが入っている場合のエラー表示が【#VALUE!】となっています。

解決方法としては、エラーしている関数内容や参照元の間違いを正しくすることですね。
※重複文字や文字列、全角などチェック

#N/A

『参照元が見つからない』場合に表示されます。

HLOOKUP関数など『検索』系の関数を使用したときによく出るエラー表示です。
=検索した結果、ありませんよー的な表示ですね!

上記の一例は、検索名を入力するとその小計が表示されるという表になっています。
(関数=VLOOKUP(検索名,範囲,列番号,[検索方法])

検索名に『パイナップル』と入力しましたが、検索対象の品名には『パイナップル』はありません。

このように、検索先に検索値がなかった場合のエラー表示が【#N/A】となっています。

ちなみに、同じ文字でも全角「バナナ」と半角「バナナ」は違うと認識するので注意!

解決方法は、正しい検索名を入力。
ではあるのですが、検索した結果「なし」と判断する場合もあるので、【IFERROR関数】を付け加える方法がよいと思います。

#REF!

指定されたセルを参照できない』場合に表示されます。

これは、ある数式において、参照していたセルが無くなったりした場合に表示されるエラーです。
=参照セルがありませんってエラーですね。

無くなるという表現をしましたが、セルやワークシートを削除してしまうということですね。


果物の計算表を参考に見ていきましょう。

D列の小計には[数量]×[単価]と数式が入力されています。

ここで『B列の[数量]のセル全てを削除してしまった』とした場合。

※B列のセルを全て消したので[単価][小計]は左へ詰める形に変化します。

参照していたセル[数量]がなくなり、小計はエラー表示しました。

この画像のように、小計の数式には[#REF!×単価]と、もともと[数量]だったのがなくなったので参照エラーという表示になっています。

ちなみに、セルの中身を消去しただけでこのエラーは表示しません。
あくまでセルごと無くなることが条件です。

セルを消すという操作をすることはあります。

当たり前の話、消した瞬間にエラー表示がでればすぐに対処できますが、
(元に戻すなどの操作)

しかし、気づかずに参照されているセルを消してしまうことあるんですよね。。。

・表などを作成していて、列や行を一括削除した。
・不要だと思ってワークシートごと削除した。
 など

数式の内容から消えた内容が把握できればまだ対処方法があるかもしれません。
復旧作業の手間がかかりそうですが。

全く分からなくなった場合には、[IFERROR]関数を使ったり、[非表示]にするといった方法で回避するしかないのかな・・・

#NAME?

関数のスペルが違う』『関数の引数が間違っている』場合に表示されます。

これは入力した関数のスペルが間違っていたり、Excelで認識されない文字を入力した場合にでるエラーです。

エラーの一例をいくつか挙げてみたいと思います。

サム関数ですが、正解は【SUM】です。

関数全てに共通することなので入力スペルが間違えないように注意が必要です。

集計範囲を指定していますが、『D2D8』という領域は存在していません。

そのエラーとなっています。

表のタイトルを入力しようとし、初めに『-』を付けたらエラーとなった。

『-』がマイナスと数式として認識してしまった結果ですね。

関数を入力する場合は、『数式』タブから関数を指定していく方法が確実だと思います。
(直接入力す場合は間違わないようにですね!)

#NUM!

使用可能な数値やデータの範囲を超えている』場合に表示されます。

これは、エクセルが処理できる数値の範囲を超える(大きすぎる、小さすぎる)ことで発生します。
また、間違った関数を使い計算できない場合にもエラーが発生します。

エクセルは計算結果で表示できる範囲が最小から最大までが決まっています。
その最小より小さかったり、その最大を超えたりした結果となると計算不能となりエラー表示します。

もしこのエラーが表示されたときには、間違った関数になっているのではないかを先に疑いましょう。

参考として、『集計表の中から最大得点と最小得点を表示』する関数で見てみたいと思います。

最小得点のところでエラーが表示されています。

SMALL関数は、「指定する範囲の中から指定する順位の数値を返す」関数です。

最小得点を表示するつもりなので、順位を『1』としなければならない所を『11』となっています。
5名しか集計していないので、11位はいませんね。

順位を正しく修正しました。

最少得点が表示されました。

このように範囲を指定している中で、その範囲を超える(間違う)とエラー表示されます。

『#NUM!』エラーの多くは、関数式の間違いではないかと思います。

エクセルは処理できる数値の範囲が決まっており、その領域を超えた場合でも『#NUM!』エラー表示されますが、先にも説明した通りとても大きな(小さな)数値です。

まずはエラーしている関数式を確認し、間違いがないか見てみましょう。

間違いがなければ、領域を超えた数値になっているということなので、その場合には参照している数値を確認しましょう。

#NULL!

半角スペースでつながれたセル範囲どうしに共通部分がない』場合に表示されます。

これは、特定の範囲を参照する数式を使った場合、その範囲のセル間に空白があるとエラーが発生します。

文字で表すと読み取りにくいですね・・・。

特定のセル範囲を参照する場合には、2つの入力方法があります。

[連続したセル範囲を参照する場合はコロン(:)を使う]

くだもの価格表の合計を算出する数式です。
セル範囲がD4からD9となり参照していますが、連続範囲指定のコロン(:)がなく空白(スペース)になっています。

空白部分にコロン(:)を入力し修正しました。
正しく計算されましたね。

[共通部分がない2つの範囲を参照する場合はカンマ(,)を使う]

4種類のくだものの合計を算出する数式です。
りんごとみかんのD4からD5といちごとぶどうのD7からD8の2つの範囲を参照していますが、範囲間にカンマ(,)がなく空白(スペース)になっています。

空白部分にカンマ(,)を入力し修正しました。
正しく計算されましたね。

これらのように数式で正しくない範囲演算(途中に空白がある)場合に『#NULL!』エラーが発生します。

『#NULL!』エラーが表示された場合には、参照している範囲の途中に空白が無いか確認しましょう。

まとめ

実に7種類のエラー。
正常な処理が行われないために表示されるということが理解できましたでしょうか?

全てを覚えることはなかなか難しいと思いますが、『#・・・』がでたらエラーです。
慌てずエラーの数式なりを確認し、修正していきましょう。

途中にも記載しましたが、『IFERROR関数』を使うことで、エラー表示を非表示(空白)にしたり、特定の値を表示したり、特定の文字を表示させることができます。
細かいことは何れ解説したいと思います。